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Sun&R.Lab
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·採用・組織·9 分で読める

人を資本として読む — AI 時代の共創組織を編むために

三人の手が中心で何かを共に作る抽象表現。AI 時代の共創を象徴する editorial イメージ

"人材" を、組織の資本として読み直す

Sun&R.Lab は、いま組織として大きくありません。CEO と、業務委託で関わってくださるパートナーたち、生産者ネットワーク、料飲プロフェッショナルの方々。これが現時点の私たちの顔ぶれです。

このフェーズで、私たちは「採用」という言葉に違和感を持っています。雇用契約という単一の関係性ではなく、業務委託・パートナーシップ・コラボレーションを含む、より広い「共に価値を作る」関係を組織の前提に置きたいと考えているからです。

代わりに採用したい語彙は、「人を資本として読む」というものです。組織のバランスシート上には現れないけれど、事業の方向性を直接決めていく ── そういう種類の資本として、人を読み直す試みです。本記事は、Sun&R.Lab がいま編もうとしている組織観のノートです。

なぜ "AI 時代" と銘打つのか

経済産業省『DXレポート』や OECD『Future of Work 2024』が繰り返し示すように、ホワイトカラーの仕事のかなりの部分は、生成 AI と RPA の組み合わせで自動化されつつあります。Sun&R.Lab 自身も、AI-CEO Framework という Claude Code ベースの経営オーケストレーション基盤で日々の意思決定を高速化しています。

このとき、共創パートナーに求められる素養は、「AI が代替できるスキル」ではなく、「AI と共に創ることで、AI にはできない何かを引き出すスキル」へとシフトしていくと、私たちは観察しています。手を動かす速度や情報処理の量で競うのではなく、AI を道具として使いこなしたうえで、人にしか宿らない判断・感性・関係性を持ち寄る人。これが、AI 時代における Sun&R.Lab の共創パートナー像です。

人を資本として読むという視点は、ここから自然に導かれます。AI が代替できる部分は AI に任せ、人にしか宿らない部分を組織の資本として大切に育てる。組織の経営は、この資本の質と循環を設計する仕事になっていく ── そう考えることにしました。

三つの素養 — Discovery で見えてきた共通項

具体的に、どんな素養を持つ方を Sun&R.Lab は資本として読んでいるのか。私たちのなかで、いまの段階で言語化を試みた言葉は三つあります。探究心・繋がり力・笑顔。Sun&R.Lab の Values にも明示している五つの価値観のうち、人材軸に再翻訳した三つです。

素養 1: 探究心 — 分かったつもりの手前で踏みとどまる力

Carol Dweck がスタンフォード大学で長年研究してきた「成長マインドセット」の概念に近いものです。固定的な「私はこういう人間だ」「これはこういうものだ」という枠組みに止まらず、状況の細部に新しい問いを見出し続ける姿勢。

Sun&R.Lab の事業領域は、まだ業界全体としての完成形が見えていない部分が多くあります。ノンアルコールペアリングの設計言語、テロワール経営の事業展開、AI 協働の組織運営。これらは「答えがある問題を解く」のではなく、「問い自体を磨く」フェーズにあります。このフェーズで活躍する方は、未知の領域に対して臆せず、けれど浅く飛び込まず、「分かったつもり」の手前でもう一段踏みとどまる知的体力を持っています。

素養 2: 繋がり力 — 異なる専門性を橋渡しする能力

Sun&R.Lab の Values の最初に置かれている「繋がり」を、人材軸で表現したものです。事業領域が本質的に学際的であるため、どんなに優秀な専門家でも、すべてを一人で網羅することはできません。専門用語を別領域の人に翻訳できる力、自分の専門の限界を率直に認める力、利害が対立しがちな関係性のあいだで共通の善を見出せる力。これらが、Sun&R.Lab で資本として機能する素養です。Daniel Pink の『Drive』が示す通り、人を動かす最大の力は外的報酬ではなく内発的動機です。繋がり力の高い方は、自分の利益を超えた「みんなの繋がりが豊かになる構造」に対して、内発的な動機を持っています。

素養 3: 笑顔 — 困難な状況でもユーモアを持ち続ける力

「笑顔」は、表面的な愛想の良さや明るさを指しているわけではありません。困難な状況でもユーモアを失わず、関わる全員の場の空気を一段引き上げる力 ── そういう種類の素養を意味しています。Sun&R.Lab のような小規模で多事業並列の組織では、日々予想外のことが起こります。生産者の収穫が天候で遅れる、海外バイヤーとの商談が時差で深夜になる、API の仕様が変わる。こうした状況で、状況を引き受けて次の一手を笑顔で出せる方は、関わる全員の体験を引き上げます。これは技術スキルではありませんが、長期パートナーシップを築く上で最も希少な素養だと、私たちは捉えています。

三素養が同時に揃わないと、機能しない

ここで強調したいのは、探究心・繋がり力・笑顔は、どれか一つだけでは機能しない ということです。

探究心だけが強い方は、専門知識を深掘る一方で、他者と橋渡しすることに関心が薄くなりがちです。繋がり力だけが強い方は、人と人の関係を結ぶのは得意でも、対象への深い理解が伴わないと表層的なネットワーカーになります。笑顔だけが強い方は、場の空気を保つことには長けていても、困難な決断や深い問いから目を逸らす危険があります。

三つが揃ったときに初めて、Sun&R.Lab で大きな価値を生む共創が可能になる ── これが、立ち上げから日が浅い段階で見えてきている私たちの仮説です。三角形の三つの頂点として、互いに支え合う構造。長期的な実証データを語れる段階にはまだなく、これからも対話のなかで検証していく類のものです。

三事業のなかで、人という資本はどう機能しているか

Sun&R.Lab の三事業は、人という資本の使い方でも、それぞれ少しずつ異なります。

Maison Brand 事業 (NEIGE & THÉ) では、人という資本の中心にあるのは「生産者と作り手の手仕事」です。ボトル一本の背後にある何十年の栽培経験、抽出技術の精度、産地の物語を翻訳する編集力。これらは、商品が市場に出る前にすでに価値の大半を形成しています。

Non-Alcohol Agency 事業では、人という資本の中心は「現場と長期で並走する伴走者」です。STEP01 のヒアリングから始まる関係を、半年・一年・二年と編んでいける方。店舗のブランド世界観を尊重しながら、客単価・集客・物販マネタイズを共に磨いていける方。Discovery の途上で、現在いくつかの料飲事業者と対話を進めながら、この種の人的資本を少しずつ整えていきたいと考えています。

BizDev 事業では、人という資本の中心は「業界文化を尊重しながらデジタル化を編める技術者」です。電力業界・物流業界・ラグジュアリーブランドの暗黙知を、現場のエンジニアの方々から引き出して言語化できる方。短期の納品ではなく、クライアントの本業内の新規事業として伴走できる方。

三事業を貫いて言えるのは、Sun&R.Lab における人的資本は「労働の量」ではなく「関係性の質と継続性」で測られる、という点です。

業務委託というかたちの共創

Sun&R.Lab で「共創」という言葉を使うとき、業務委託契約のかたちが多いことについて、補足しておきます。

業務委託は、雇用契約と比べて両者にメリットがあります。委託する側 (Sun&R.Lab) は、固定費を変動費化でき、必要な時に必要なスキルを呼び込めます。受託する側 (パートナー) は、複数のクライアントと並行して契約でき、自分の専門性を多面的に磨けます。

ただし、業務委託の関係性を続けるには、雇用契約以上に「一緒に仕事をしたい」と思える関係の質が決定的に重要です。制度的に固定された関係ではなく、毎月の更新判断のなかで、両者が「続けたい」と互いに選び合う関係。だからこそ、Sun&R.Lab がパートナーに対して持ちたい姿勢は、「雇い主と被雇用者」ではなく、お互いに事業を持ち寄って、ある期間、共に作る共同制作者に近いものになります。

共創の門戸は、いつでも開いています

Sun&R.Lab はいま、業務委託・パートナーシップ・コラボレーションのかたちで、共に価値を作ってくださる方々と少しずつ対話を重ねている段階です。固定的な募集枠を設けているわけではなく、事業フェーズに応じて、その時々で対話したい領域があります。

「もしかしたら自分かも」と感じてくださる方がいれば、いつでも対話のドアは開いています。形式的なエントリーシートではなく、私たちが何を作っているか、あなたが何を作りたいか、を率直に話す場を作りたいと考えています。

組織の大きさは、価値の大きさを必ずしも決めない、と私たちは仮説を立てています。むしろ、小さな組織だからこそ、関わる一人ひとりの素養と判断が、事業の方向性を直接的に決めていく。Sun&R.Lab は、その密度の高い共創関係のなかで、世界水準の体験を、ひとつずつ着実に作り出していきたいと考えています。


次回は、共創を実装する事業のひとつ ── Non-Alcohol Agency 事業の構造を綴ります。

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Sources · 出典

  • · 経済産業省『DXレポート』および『未来の教室』ビジョン (人材論の文脈)
  • · OECD『Future of Work 2024』(共創スキルの国際比較)
  • · 厚生労働省『令和6年版労働経済白書』
  • · Carol Dweck『Mindset: The New Psychology of Success』(成長マインドセット理論)
  • · Anthropic『Claude Code Documentation』(AI協働の実装パターン)
  • · Daniel Pink『Drive』(内発的動機の研究)

Auteur · 著者

中山 光博Sun&R.Lab 合同会社 代表

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繋がりのチカラで、豊かさと幸福が循環する世界を。

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